【メンテナンス不要!?】あえて透湿しない、軽量で、通気性抜群なレインジャケットをご紹介!

突然ですが、登山用品の3種の神器はご存じでしょうか?
それは、1つめが「バックパック」。2つめが「トレッキングシューズ」。そして3つめが「レインジャケット」と言われています。どれも登山ではなくてはならない装備ですよね。

今回は、この中のレインジャケットについて、お話ししたいと思います。
要点は以下通り。

・Gore-Texなどの防水透湿素材について
・撥水加工について
・おすすめするレインジャケットについて

レインジャケットは、アウトドアでは必需品。生命にかかわるギアにもなりかねます。
とは言いつつも、夏場の雨ともなると暑くて蒸れて、着続けるのは大変。

そこで近年は、Gore-Tex(又は同等の生地)という、雨のような大きな水滴は防ぎ、体からでる水蒸気は逃がす、防水透湿素材のレインジャケットが主流になっています。

ですが、みなさん経験はないでしょうか?Gore-Texなのに蒸れて暑いなんてこと。雨で濡れていないはずなのに、内側が汗でびちょびちょに。
それもそのはず。透湿といっても気温や湿度によってもその限度があったり、実際に生地のテストをしている場所とアウトドアでは環境は違います。

それでは、まず防水透湿素材にについてもう少しお話してまいります。

目次

ゴアテックスをはじめとする防水透湿とは・・・

一般的な防水透湿素材のレインジャケットについて、お話させて頂きます。

レインジャケット等に使用される「ゴアテックス」を代表とする防水透湿素材は、雨のような大きな水滴は通さず水蒸気は通す微細な孔がたくさん開いたメンブレンという素材を使用しています。(写真の真ん中の生地。ゴアテックスメンブレン)

出典:https://www.descente.co.jp/media/editors_picks/feature/8351/

このメンブレンが雨などの水の浸入を防ぐと同時に、汗による水蒸気を放出するため蒸れにくく快適な環境を維持することができます。

通常このメンブレンを写真の様に、表地と裏地で貼り合わせたものを製品として販売されています。
表地+メンブレン+裏地なので、この場合3層(3レイヤー)の生地になります。
(ほかにも2層や2.5層などもある)

ではなぜ、メンブレン単体で使用せずこの層を作る必要があるのか。それは、水の浸入を防ぐと同時に、汗による水蒸気を放出するためのメンブレンの微細な孔を保護するためにあります。

Gore-Texより メンブレンの構造

表地の役割は、通常耐久撥水処理(DWR)を施し、水や汚れの付着を防ぐこと、
裏地の役割は、汗や皮脂などの汚れの付着を防いだり、快適な着心地を提供すること。

防水透湿素材のウェアは、このメンブレンの孔を塞がないようにすることが、とても重要になってきます。

新品の時は、耐久撥水処理が機能しているので、雨粒がコロコロ玉になって転がるので濡れていないと思います。

Gore-Texより


使い古したものは、転がらず染み込んでいて、動画の様にびちょびちょになっていませんか?生地が水分を吸って重たくなったり、冷たくなっていると思います。

Gore-Texより

防水ジャケットとはいえ撥水力の落ちたウェアは水を吸ってびちょびちょになったりします。
メンブレンによって防水性は保たれますが、メンブレンの孔が水で塞がり、汗などの水蒸気が出る場所を失って、体内が汗でびちょびちょになります。

そうして、ゴアテックスなどのレインジャケットを着ていながら内側が濡れているなんてこと。。。が起こり得るんです。これは砂埃などの汚れでも孔が塞がり同じことが起こります。

なので、

防水透湿素材のものは定期的に洗濯し、撥水処理を掛けなおしてあげるなど、メンテナンスをしなければなりません。これがとても重要なんです。

アウトドアを始めたてで、とりあえずないと困るものだから買ったけど、洗っていいのかもわからないし、洗い方もわからない。一度もメンテナンスしていない方も多いと思います。

僕も、この仕組みが分かってようやく洗濯し撥水をかけました。
これが、ゴアテックスなどの防水透湿素材の仕組みとメンテナンスの必要性です。

PFASを含む撥水処理を必要としない、撥水処理を。

ご説明したように防水透湿ジャケットは実に斬新な技術ですが、テストではうまく機能しても、アウトドアフィールドではうまく機能しないこともよくあります。

例えばトレイルの土や埃が表地の多くの孔を詰まらせたり、バックパックのストラップがジャケットの表面積の大部分を覆い、水蒸気の移動を妨げ、雨滴がジャケットの残りの表面の大部分を覆ってしまいます。 それによって、透湿が上手く機能せず内部が濡れてしまいます。

また、透湿がうまく行われるため、雨や汚れをすばやく表地から遠ざけるように、このような「防水透湿」製品にはDWR(耐久性撥水)コーティングが必要になっています。

このコーティングは時間の経過や使用によって落ちていき、撥水性を取り戻すためには定期的に塗り替えなければなりません。ですが、DWRコーティングのほとんどはPFAS(しばしば「永遠の化学物質」と呼ばれる)を含んでおり、地下水を汚染する可能性があります。今でさえ、少しづつPFCフリーやC0と呼ばれるPAFSを含まない撥水処理が出てきましたが、持続力はまだ短いのが現状です。

かといって、撥水処理のメンテナンスを怠っていると、生地が水を吸って濡れてりもしてきます。

メンテナンスが簡単で蒸れないレインジャケットってないの?

あります!厳密には蒸れないという言い方は適切ではないかもしれませんが、それは、LightHeart Gearというアメリカ東海岸の州ノースカロライナの西部アパラチア山脈の通るところから、家族経営のガレージブランドながら最高のバックパッキングギアを低価格で提供しているメーカーです。(低価格とはいいながらも円安の影響で日本に持ってくると極端に安くはありませんが。。)

僕が、このメーカーにお取引したいと連絡したのは、この同社のレインジャケットを取り扱いたかったからです。

このレインジャケット、シリコンコーディングのポリエステル製でなんと透湿ゼロ!
言うなれば、テントのフライシートを着るようなものです。

レインジャケットは、雨風を防ぎながら、いかに蒸れず快適に着用できるかが各社しのぎを削るポイントですが、ライトハートギアはなぜこのようなレインジャケットを作ったのか、続きをご覧ください。

ライトハート・ギアが考えたレインジャケットはこうです。

定期的な撥水処理を必要としない超軽量なPFASフリー・レイン・ジャケットは、外側にシリコン・コーティングポリエステル、内側にポリウレタン・コーティングを施した永久防水ポリエステル素材で作られており、意図的に非透湿となっています。シリコンコーティングは糸一本一本にコーティングしてあるので、撥水ではなく防水になっています。

テントやタープのレインフライと思ってください。シリコンコーディングしてあるので、透湿性は皆無。ですが、換気をうまく使っていくのです。

透湿ではなく、通気性(換気)に全振りした設計

わたしは、レインジャケットの最も重要な機能は保温性(濡れない事)だと思っていて、では数分もしないうちに汗でびちょびちょになる「透湿性」のレインジャケットとは。。。。と思っている部分もあります。

このライトハートギアのレイン・ジャケットは1層構造の完全防水ジャケットで透湿性がなく、また透湿性を持とうともしていません。
透湿性素材の代わりに、ライトハートギアは両腕に巨大なピットジッパーを採用し、通気性と換気性を高めました。その結果、生地が減り軽くなり、コストも下がり、濡れることもなく、ウルトラライトというべき軽量なレインジャケットになりました。

レインジャケットは、シリコンコーディングポリエステルの1層のみ、しかもすべての縫い目にはシームテープが施されており透湿ゼロ。ではどのようにして快適にレインジャケットを着るのか。その秘密がピットジップです。(脇についているジッパー)

僕もですが、皆さんもレインジャケットの中で汗をかいてびちょびちょになった経験はないでしょうか?
ご説明したように、現在の防水透湿素材のジャケットも透湿の限界があることは明白で(メンテナンスにも左右されるし)、その証拠に中~高価格帯のレインジャケットには、素早く換気できるように、脇にピットジッパーがついているモデルほとんどです。

ですが、ライトハートギアのピットジップは、それら通常のものよりも2倍の長さをとっています。もちろん防水ジッパー製。そのゆったりとしたピットジップは必要なときに通気性を保証し、また腕をジッパーから外に出してレインジャケットをレインベストとして着用することもできます。

透湿しない代わりに、特大の換気口を設けたのがこのレインジャケット特徴なんです。

肌面(生地の裏面)はPUコーティングなので、汗をかいた腕で触れるとペタペタくっついて不快感はあるのですが、その時は、写真の様にピットジップを全開にして、ベストのように着るとめちゃめちゃ快適なんです。

裏面がPUコーティングなのは、シームテープを張り付けるためです。シリコンコーティングは、シームテープが貼れないのです。

その他の特徴

・帽子やキャップの下にも被れるゆとりのあるフード

左右に調節可能なショックコードでフードを絞ることができます。またフードの前面上部からは、7センチほどの柔軟な布製のつばあります。このつばはジャケットの他の部分と同じ素材でできており、フードを絞ることで、つばが出てきます。小雨を防ぐには十分です。

・インナーポケット

ジャケットの内側2個所にジャケットと同素材のポケットがあります。防水素材なので、濡らしてくない物を入れておけます。(写真は1Lのナルゲンボトルを入れています)

・ハンドポケット

ウルトラライトだと排除されがちなポケットですが、あるとなにかと便利。ジッパーは付いていないので落とさないように注意が必要ですが、寒いとき手を温めておけます。

面倒くさがりな方にはうってつけなレインジャケット

透湿を全くしない。という今の時代に相反するレインジャケットですが、撥水処理のメンテナンスがいらなかったり、腕が出せるほど大きなピットジップが付いて換気ができるなど、今までのレインジャケットの弱点をうまく克服した、レインジャケットだと思います。

サイズ:S/M/L
サイズ感:170cm 65kg Sサイズ:ジャスト Mサイズ:ゆったり
レインジャケットでいつも着るものでもないし、防寒着も下に着るとなると、Mを選びます。(シルエットはSが好み)

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この記事を書いた人

田中商店店長のけんてぃーです。
洋上石油掘削リグのメカニック~アメリカ横断~アウトドアショップ勤務を経て、妻の実家だった田中商店を2021年にリニューアルオープン。自然に優しいをコンセプトに国内外のアウトドア用品を天邪鬼店主がセレクトしてます!
アウトドアはもちろん、旅行やガジェットなど最新機材も大好きです!

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